22. 無限

21. テレビ伝道
23. 吠える獅子

コラム 「ミッションパイロット」  デイビッド・ゲイツ氏の証より

ガイアナにおける神様の恵みの奇跡についてのその良い知らせは、カリブ海と南アメリカで、国から国へと広がって行きました。教会指導者や教会員からの要望が流れ込んで来ました。「助けてください。神様があなたを通してなさっていることを、私たちがどのようにして始めたらよいのか示してください。」

「神様は僕らに、限りなく前進するべき時が来ていると告げているのではないだろうか?」とデイビッドはベッキーに尋ねました。
「私たちは知恵を求めて祈らなくてはならないわ。きっとこれは、私たちが合衆国へ行ってくる時だという、神様の呼びかけかもしれない。私たちと一緒に、神様の特別の指示を求めて聖書を調べ、祈ってくれるように、両親に頼みましょう」と彼女は提案しました。
合衆国に戻り、デイビッドは家族に状況を伝えました。「ちょうど、僕らの小さな2座席の辺境飛行機が、ガイアナ西部での奉仕を始める扉をすみやかに開いたように、カリブ海と南アメリカの至る所で働くには長距離飛行機が必要になります」

幾日かの間彼らは聖書を調べ、祈り、大きな経済的決断のことで悩みました。この選択は、彼らが将来どのように働きリスクを負うかに、深刻な影響を与えることになるでしょう。ついに平安が与えられました。神様は、彼らに、イリノイにあるゲイツ農場の一部を売った資金を運用して、双発エンジンの小型飛行機を購入する資金の一部にするようにという強い印象を与えられました。デイビッドの両親はいつも協力的で飛行機購入のために、さらに隣の土地の一部を売ることを申し出ました。孤立した地域と諸国との間で、人や器物を安全にすばやく移動させる飛行機が必要でした。デイビッドは神様がお選びになると思われる飛行機を捜し始めました。

彼は、ロバートソン短距離離着陸装備があって、特別に機首部にも荷物が積めるようになっているパイパー社のツインコマンチが在る所を突き止めました。驚いたことに、彼が見つけた航空機は彼がケンタッキーで何年も前に飛行したことのあるのと同じものでした。交渉の間、何度も何度も、その譲渡契約は無駄に終わるように見えました。ある時、家族はすべてを止め、祈るためにひざまずきました。「神様、あなたは将来をご存知です。もしこれが、私たちが使うようにあなたが取り分けておかれた飛行機でなければ、譲渡契約がだめになるようにしてください」

数分のうちに電話が鳴り、その飛行機の持ち主は、「あなたの購入価格を受け入れましょう。おいでになってその航空機を点検し、テスト飛行をしてください」と言いました。

デイビッド、父親、そしてアンドリュース駐機場の整備主任ブルックス・ペインは、その飛行機を点検するためにカリフォルニア州サンホゼへ飛びました。彼らが言った気がかりな項目は全部、その大きな航空機機関が彼らの費用ですぐ処理してくれました。

この飛行機を購入する決断は、必然的に多大な負債を負うことを意味しました。「僕らが初めて小さな飛行機を購入した時と同じような決断の経験をしているけれども、リスクの程度はずっと大きい」とデイビッドは父親に説明しました。「この飛行機は75%の資金調達を要して、もしベッキーと僕、同じく父さんにも母さんにも、確信と平安がなかったら、決してその一歩を踏み出せません」
信仰によって彼らは再び祈りました、「必要とされている飛行機のためにリスクを負うことはあなたのみこころであると、私たちは信じます、神様。ローンを組んでから6ヶ月以内に負債が無くなるようにしてください。あなたはその金額と、またなすべきことをご存知です。あなただけがこれを解決することがおできになります」
彼らは6人乗りのみごとな航空機をミシガンへ飛ばし、カマラングのテレビ局のために550ポンドの放送機器を積み込みました。デイビッドは、放送の技術分野を率いるためにジョージタウンへボランティアとして行く、ダン・ピークとその妻シンシア、そして小さな娘ハンナと共にガイアナへと飛びました。

ワシントン夫妻を最後に訪問してからおよそ1ヶ月が過ぎました。
親しみのこもった挨拶を済ませて、デイビッドは話し合いを始めました。「先だって私たちが同意した理念を再考してよろしいですか?テレビ局の運営基盤を商業的利益には置きません。私たちは資金については神様に信頼します」

彼らが出した様々な意見により、デイビッドはすぐに、彼らがそういう取り決めをしようとしていたことを考え直していたことに気づきました。敵は彼らの焦点を世俗の理念、つまり伝道使命を果たすことにではなく、利益に当てるように働きかけていました。デイビッドは彼らの言うことを聞きながら、彼らが、福音伝道と対立しかねない儲かる番組を作ることを期待しようとしているのがわかりました。彼は給料のために働く雇用者から起こる問題、またボランティアたちが払わねばならない家賃の問題を予測できました。
「残念ですが、神様はそのような取り決めを喜ばれないと思います」とデイビッドは言い、重い心でその会談を終えました。神様だけが感じ方を変えることができ、また神様の栄光のために局が使われるのを防ごうとして懸命に働いている、目に見えない勢力と戦うことができます。

彼は、「お父様、すべてはあなたの力と恵みにかかっております。天の理念に気づくようにワシントン家を助けてください。その理念は、必ず必要を満たしてくださると頼りにできるお方として、神様を見ることから生まれます」と祈り続けました。

デイビッドは、自分がその下で働いている信仰理念を書いた3ページの文書を用意しました。彼は、資金をプロジェクトに投入するという彼の今までの提案すべてが、利益ではなく、もっぱら伝道を追及することにかかっている理由をはっきりと述べました。それから彼は、ワシントン氏に電話をして、翌日の午後4時にもう一度面会する約束をしました。1日中、デイビッドと彼の友ウィンストンは一緒に、また個人的に、みわざのために神様ご自身が介入してくださるように祈りました。彼はまた、両親にこの危機に関する彼の祈りを電子メールで伝えました。

神様がなおも責任を負っておられることを思いながら、彼らはワシントン家に平穏な気持ちで集まりました。けれども彼らは、どれほど予断を許さない状況であるかを認めて、身が引き締まる思いでした。実に彼らは、キリストとサタンの間の大争闘における、もうひとつの出来事に直面していました。

ワシントン夫妻がその3ページの文書を読んでいる間、ふたりは黙祷を続けました。ワシントン氏は読みながら、特定の行に下線を引き、そのたびに「なるほど」とうなずきました。

彼の妻は読み終えると、次のような説明をしました。「先の木曜日に私はウィンストンを家に招き、なぜ私たちが利益追求の会社としてテレビ局を維持しようと決めたかをお話しました。私たちに収入をもたらすだけでなく、そこに滞在するボランティアスタッフのための家賃も支払うのです。でもウィンストンが、あなたの信仰の背景にある経歴を説明したとき、私たちは神様の奇跡的な導きの物語を聞きながら驚いてしまいました。

金曜日は1日中、私たちがとった立場のことで落ち着かない感じがしていました。私は職場から夫に電話をして、私の気がかりを話しました。私たち二人とも、神様は、局で得る私たちの商業上の利益の件は撤回するように、私たちの目を覚ましておられるにちがいないと判断しました。神様から、足を踏み出して、この運営における信仰理念を受け入れるようにと強く印象づけられました。率直に申し上げて、私たちはまったく信仰によってテレビ局を運営するという考えに、少々恐れを抱いています。けれども、神様は資源供給をしてくださると私たちが信じていることも認めます。私たちの人生における神様の力を経験したいと思います」

ワシントン氏が言い足しました。「私たちはまた、あなたがたに建物全体を家賃無料で使っていただくことに決めました。あなたがたは、最小限の維持費だけを支払うことになるでしょう。テレビ局は完全に伝道を目的として運営されるでしょう。確かに神様は、資金のことで問題を持つことはないでしょう。私たちは、神様がどのようにして製作のための資源供給をなさるかを見守ろうと思います。神様が局の電波を強め、中継器を用いて他の町々へ拡大してくださると信じます」

デイビッドとウィンストンは喜びの歌を歌いながら車を運転し、帰ってきました。「ウィンストン、前よりもっと信任を得て、プログラムが軌道に戻ったね。神様は驚くほどの介入をなさった。神様の御霊だけが心と思いを変えることができる。おお、祈りの力よ!主のための霊の戦いでまたひとつ勝利だ!」

新しい飛行機がカリブ海に着いてから数週間以内に、デイビッドとダン・ピークはグレナダ、ドミニカ、アンティグア、そしてトバゴへ行き、アドベンチストテレビ放送局の設置計画を立てるために教会指導者たちと政府の役人に会いました。そのテレビネットワークは拡大して、今日カリビアンファミリーネットワークとして知られているものへと発展しました。

神様は忠実に、新しい飛行機の毎月の支払いを続けるためと収支バランスが十分にとれる資金を供給してくださいました。ガイアナでその働きを開いた小さなセスナ150は、ツインコマンチに関する巨額の負債の半分を支払うために売られました。

デイビッドがテレビ機器を積んでガイアナへ2回目の飛行を始めてすぐ、ツインコマンチの左エンジンのエンジンオイルが高温になりました。彼は一番近いテネシーの空港に着陸し、そこで、幾つかのエンジンのプッシュロッドタペットがひどく磨耗し始めており、エンジンじゅうに金属の削りくずをまき散らしているのを発見しました。

彼はベッキーに電話をしました。「僕らはがっかりするような逆戻りをしてしまった。エンジンをつけ直さなくてはならない。でも合衆国で起こったその緊急事態は、すばらしい空港で直してもらうという良い知らせでバランスがとれたよ。それが終わったら、前よりずっといいエンジンになるだろう。右エンジンも、飛行機が直って奉仕する前に、磨耗したタペット(注:内燃機関で, カムの運動を弁に伝える滑走棒)の点検を受ける。神様が支配しておられるのがわかるよ、神様だけが将来をご存知なのだから」

ガイアナの奥地では、上マザルニ区域のアメリカ先住民の人々が、福音を聞き、それに応答し続けていました。年間を通じて、5台のビデオプロジェクターが村々での連続5週間の巡回伝道集会に使われました。2年近く常時使用し、カヌーで、また徒歩で、熱帯地域を移動しましたが、取り替えたのはプロジェクターの白熱灯が2つだけでした。3つの村が教会の建築を始め、他に2つの村が彼ら自身の教会を持つ計画を立てました。

ガイアナには9つの州があり、プロジェクターと飛行機による援助の働きは1つの州、上マザルニ地区だけで行われています。では、広大な、まだ足を踏み入れてない近接地域の必要についてはどうでしょうか。村長たちが、飛行機を使った医療伝道プログラムや伝道講演会を執り行うバイブルワーカーを求めてやって来ました。飛行機による援助や、専門パイロットや整備士そして医療従事者無しでは、要請は答えられないままです。悲しみでいっぱいになり、デイビッドは、「私の人生のほとんどを、宗教的不寛容のために新しい働きを開くのが困難で、また危険なところで働いてきました。ここではそうではありません。今開かれている機会はまもなく消えてしまいますか?父なる神様、神様を知りたがっているこれらの村々の請願を受け止めてください」と神様に訴えました。

テレビ局の資金調達に関するチャレンジは、飛行機が必要とした以上にずっと大きく浮かび上がってきました。神様は、小さな1つのテレビ局の建物とさらに大きな第2局という贈り物を可能にして、神様の力をはっきりと見せてくださいました。それらを通じて神様は、新たに2つの国で働きを開始する機会を与えてくださいました。神様の摂理は、もっと頼りになる能率的な双発エンジンの飛行機が新しい地域に入って行けるようにしました。しかし、まだ神様を知らない大多数の人々を、誰が来て助けるのでしょうか?

疑う余地のない確信を持って、デイビッドと彼のボランティアたちは、神様が与えようとしている祝福に協調した働きをする用意をしました。どうすればよいかわかりませんでしたが、彼らの目は神様を見続けました。

幾千という魂がイエス様の招きに応じるのを助けたこれらのめざましい働きはみな、サタンを怒らせ、死に物狂いにさせました。外部から攻撃しようとする彼の努力は失敗したので、彼は内部から分裂させようとしました。経験と影響力を持つある人が、ある集会でセブンスデー・アドベンチストのガイアナ教区は、ゲイツ夫妻、そして彼らのプロジェクトとの関係一切を打ち切るという提案をしました。その人は、この働きの目覚しい成功に脅威を感じたに違いありません。

すべての危機は、神様の前にあなたをひざまずかせる招きとなります。デイビッドとその家族はまさにそのことをしました。ユニオンと支部の管理者たちはすみやかに調停し、強力な仕事上の関係を回復する目的で別の会議の手はずを整えました。神様はなおも支配なさっており、その難関を突破させてくださいました。その会議で論議がなされ、各プロジェクトに関するよりよいコミュニケーションと調整のための、特別計画を決議しました。新しく選ばれた指導者たちが奥地で発展しつつあるプロジェクトを訪問することになり、その時が取り決められました。彼らはまずよく見て、そして神様の働きの各局面を知るために質問することができました。

聖霊の力により、兄弟たちは、神様の民はまだ十分ではない、十分に熱くはない、勇気が足りない、あるいはこの申し分のない機会をつかむのに十分なほどビジョンに満ちていないということに気がつき、目が開かれました。

21. テレビ伝道
23. 吠える獅子