15. 闇の中での悩み

14. 実業学校
16. 密林の村

コラム 「ミッションパイロット」  デイビッド・ゲイツ氏の証より

数週間後、デイビッドと彼の長女ケイティは、「するべき」ことの長いリストを持ってジョージタウンに飛びました。用事が終わり、ガイアナ教団本部のオフィスに行って、数時間電子メール通信に返事をしました。暗くなってから、宿泊するデイビス記念病院に行くためにタクシーに乗りました。

デイビッドは、「運転手さん、病院から数区画のところにある店で降ろしてください。夕食のために何か買わなくてはいけないので」と言いました。

ふたりは食品を入れた小さな袋を抱え、またデイビッドは書類かばんをしっかり抱えて、病院への短い道のりを急ぎました。デイビッドはその通りを何度も歩いたことがありましたが、今回はひどく居心地悪さを感じました。彼の天使は彼に何かを告げようとしていたのでしょうか?行く手に彼は、見たことのある3人の若者を見ました。彼らは通り過ぎる人々によく言いがかりをつけます。急ぎ足で歩きながら、デイビッドは後ろを振り向きましたが、後をついてくる人はだれもいませんでした。

角を曲がって病院の明かりを見たとき、デイビッドはほっとしてケイティに、「病院の門まであとほんの1500メートルくらいだ。暗い中を一緒に行ってくれる守護天使にとても感謝するよ。父さんは『主の使は主を恐れる者のまわりに陣をしいて彼らを助けられる』という約束が好きだ」と言いました。

その直後、デイビッドは後頭部を棍棒で数回打たれました。彼はバランスを失って前のめりになりました。ケイティは誰かに後ろからつかまれて、頭を殴られ、叫び声を上げました。デイビッドは、他の男が書類かばんをぐいと引っ張ろうとしたときに、かばんをしっかりと抱え込みました。袋から食品が周囲に散らばりました。彼が目を上げると、最初の男が片手でケイティを捕まえ、片手に木の棍棒を持っているのが見えました。彼は顔の右側をまた強くぴしゃりと打たれました。彼は、自分たちが歩いてきたときに見た男だと気がつきました。ケイティは何度も叫んでいました。デイビッドは自由な方の手で、彼女の片方の足をしっかりつかんでいました。彼女を離してはならないと感じました。病院のガードマンが聞いてくれるのを望みながら、彼は「助けてくれ」と叫び始めました。

デイビッドの書類かばんをひったくることができず、第2の男が彼のズボンのポケットを探り始めました。幸運なことにデイビッドは、暗い通りを歩く前にポケットを空にしておきました。ちょうどその時、1台の車が通りかかり、そのライトが彼らを照らしました。ふたりの男はすぐに消えました。病院の守衛ふたりと幾人かの看護師が、騒ぎを聞いて駆けつけてきました。

「ああ、ドクター・ゲイツとお嬢さん、あなたがたですか!お気の毒です」。「ドクター」の肩書きは、デイビッドが、トリニダードのカリビアンユニオンカレッジで幾年か教えたことからきたものです。
彼らはデイビッドとケイティを助けて病院の中に入れ、応急処置を施し、警官を呼びました。3人の警察官が到着した頃には、デイビッドの頭の痛みは減ってきていました。ラナ医師は医療書類を書き上げました。

「あなたが食品を買った場所と歩いた道筋を確認しに、小型トラックで私たちと一緒に行けますか?」とひとりの警官が尋ねました。
「はい、行けると思います」

警察のトラックが道路の入り口に近づいたとき、デイビッドは、あの3人の男が何事もなかったかのようにぼんやり立っているが見えました。
彼らを指差して、デイビッドは「あれが私たちを襲った者たちです」とささやきました。

すばやくトラックを止めて、警官は彼らに後ろに乗るように命じ、警察署に向かいました。もっと明るいところで、デイビッドは彼らのうちのふたりを暴漢と見分けました。彼らは関係ないと否定しましたが、デイビッドは起こったことを全部供述しました。3人目は釈放され、他のふたりは拘留されました。「私はとても疲れて、気分がよくありません。午前1時です。眠りたいので、病院に連れて行ってください」
「更なる取調べのために、娘さんと一緒に明日戻って来るなら、喜んでそうします」

翌朝、朝食の後、車のライトで照らし出された男を見た守衛とケイティとデイビッドは、一緒にタクシーで警察署に行きました。警官はひとりひとり別々に、暴漢が座っている部屋に連れて行きました。ガイアナの法律では、告訴人は前に出てその人に触れることで、容疑者を確認しなければなりません。このやり方は、ストレスの下で気力が衰えているケイティをぞっとさせました。彼女は泣き出し、多くの質問に答えられませんでした。デイビッドは、「彼女に勇気をお与えください、主よ」と祈りました。

警察官は、デイビッドが彼女を助けるためにその部屋に入ることを許可しました。数分後、彼女は落ち着きを取り戻し、供述を終え、署名しました。

その苦しい体験の後、彼らはジュースショップに行き、椅子にへたり込み、パイナップルとチェリーのジュースを飲んで元気を取り戻しました。
「父さん、なぜ私たちの天使は夕べ現れなかったのかしら?」とケイティが尋ねました。
「ケイティ、時神様は痛みや損失をお許しになる。私は君のなぜという質問に答えられない。でもいつの日か、ヨブのように、私たちが単純に神様に信頼すれば、神様は必ず支えてくださるということがわかるだろう。私たちが頭を殴られたり血を流したりしても、神様は私たちを離れることもないし捨てることもなさらない。エレミヤのように祈ろう、『主よ、わたしをいやしてください、そうすれば、わたしはいえます。わたしをお救いください、そうすれば、わたしは救われます。あなたはわたしのほめたたえる者だからです』(エレミヤ17:14)。」

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